-加齢黄班変性症の光線力学的療法-


加齢黄班変性症の光線力学的療法

加齢黄班変性症

加齢黄班変性症は、網膜の老化に伴い、視力に重要な網膜の「黄班部」が変性して、視野の真ん中がゆがんだり、暗く見えたり、欠けたりする眼の病気です。欧米では失明原因の第一位で、日本でも食生活の変化に伴い、欧米並みに増えてきました。

黄班部の変性の仕方は、2タイプあり、患者に多くみられるのは、黄班部が縮む「委縮型」で、比較的ゆっくりと進行します。もう一つのタイプは、網膜の下から新しい細い血管(新生血管)が伸びて、網膜にゆがみが生じる「滲出型」(しんしゅつがた)です。滲出型は、悪性で失明につながりやすいです。

治療法として、レーザーの熱で新生血管を焼き固める「レーザー光凝固」が行われています。しかし周囲の正常な網膜組織も熱で傷めてしまい、かえって視力の低下につながる危険性があります。このため黄班部の真ん中のくぼみで、解像力の高い「中心化窩」(ちゅうしんか)の部分では、こうの治療法は使えません。

このため新生血管を取り除いたり、黄班部を切ってずらしたりする手術、さらに中心化窩に赤外線レーザーを当てる治療も試みられていますが、いずれも効果は確立されていません。


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加齢黄班変性症の光線力学的療法

欧米で広く行われているのが、特殊な薬剤とレーザーを組み合わせることで、病変だけを破壊する光線力学的療法です。治療法は「ベルテポルフィン」という薬を静脈に点滴注射後、レーザーを照射します。この薬は新生血管に集まり、レーザーが当たると化学反応を起こして、活性酸素を発生させ、血管内部から破壊します。発熱しにくいレーザーを使いますので、網膜には影響がほとんどありません。

治療後も3ヶ月ごとに検査し、新たな病変が見つかると、再治療が必要になります。一度傷ついた網膜は元に戻らないものの、新生血管を次々につぶして、病気の進行を止めます。

治療薬のベルテポルフィンには、日焼けを起こす光線過敏症などの副作用の心配があります。このため、初回治療には3日間の入院が義務づけられています。


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